僕について

吃音症の僕が勇気を振り絞って接客業のバイトをした時の話

吃音症の僕が接客したときの話。

どうも、あさひです。

今日は吃音者の僕が接客業のアルバイトをした時の話を書いていきます。

しかしその前に書かなければならないことは、僕が軽度の吃音者であるということです。

つまり、これから書くことが全ての吃音者に当てはまるというわけではありません

あくまでも、「軽度吃音者である僕」の体験談であるということはご了承ください。

僕の吃音についてはこちらの記事をどうぞ。

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吃音で接客業をはじめたきっかけ

吃音を持つ僕が接客業をはじめたきっかけは、失恋でした。

当時僕には片思いしていたYちゃんという可愛らしい女の子がいて、なかなかいい感じの関係でありました。

しかし僕がモタモタしている間に共通の友人であるEに取られるという情けない事態に発展…。

当時の僕は仮面浪人で勉強に明け暮れており、ただでさえストレスフルな生活を送っていましたが、そこに失恋のショックが加わったこともあって、軽いうつ状態に陥る羽目になってしまいました。

その時は、世の中を呪いながら昼から酒を飲んでネットサーフィンばかりしていましたね。

とはいえ、ずっと腐っているわけにもいかず、一ヵ月ほど経ったある日、ある決心をしました。

昔から吃音で避けていた接客業に挑戦して女のことなんて忘れてやろう!そして同時に吃音を克服してやろう!

こうして、僕は某球場のグッズ販売のバイトに応募するべくスマホを手に取ったのでした。

なぜバイト先に野球場を選んだのか

なぜバイト先に野球場を選んだのか。

賑やかな場所だと働きやすい?

それは、単純に僕が野球好きで、その雰囲気を味わいたかったからです。

どうせ働くなら、楽しめる場所で働きたいじゃないですか。

それと、お祭りのような雰囲気の中なら、多少のどもりも周りは気にしないかな?という気持ちもありました。

静かな場所で接客するよりも、賑やかな場所で接客するほうが吃音的に働きやすいと思ったのです。

接客業でつらかったこと、苦労したこと

応募の電話ではどもりましたが、面接では特にどもることなく採用されました。

任された仕事は、グッズ販売の売り子さんの準備とサポート、そしてグッズのワゴン販売です。

前者の2つはなんとかなったのですが、後者のワゴン販売ではやはり言い換えの聞かない接客用語でつまづきました。

「いらっしゃいませ」が言えない!

これは吃音者にとって定番の難関フレーズだと思います。

「いらっしゃいませ」

接客業の基本中の基本であるこの「いらっしゃいませ」が、吃音者にとってはものすごく難しいのです。

もちろん、僕も例外でなく、「いらっしゃいませ」を発声するのにすご~~~く苦戦しました。

たとえ言えたとしても、随伴行動でまくりで「い…っ……っ……っしゃせい!」と難発をさらけ出しながらなんとか発声していた感じです。はたから見たら「こいつは大丈夫か」と思われていたに違いありません。

「ファ」が言えない!

「いらっしゃいませ」というフレーズを言い切ったあとには、お客さんに「ファンクラブのカードをお持ちですか?」みたいなことを聞かなければなりませんでした。

しかし、「ファンクラブ」の「ファ」が口から出てこなくて非常に苦しい思いをした記憶があります。

「いらっしゃいませ」というフレーズ同様、「ファ」という言葉をひねり出すように発声する僕は周囲からとても奇異に見えたのでしょう。

上司だけでなく、同期の仲間、お客さんからの「なんだこいつ…」という怪訝な目は今でも忘れられません(上司からは挨拶すら無視されていました)。

カミングアウトをしなかったので…

また、僕は吃音をカミングアウトしていなかったので、どもることによって「こいつは緊張しているんだ」、「こいつビビり過ぎだろ」と勘違いされるのも辛かったです。

本当は障害なんだ!と声を大にして言いたかったのですが、当時の僕にカミングアウトする勇気はなく、しばらくは肩身の狭いバイト生活を送ることになります。

だんだん仕事に慣れてくる

徐々に「ファ」が出てくるようになる

毎日バイトが嫌で嫌で布団の中で泣く日々を送っていましたが、徐々に「ファ」が口からスムーズに出てくるようになってきます。

おそらくその理由は「慣れ」だと思います。

それまでは薬などに吃音改善を頼っては失敗していました。

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しかし結局、僕の場合は「慣れ」のおかげである程度吃音が改善されたというわけです(うわめっちゃシンプル!と思われるかもしれませんが、慣れの力は僕が思っていたよりも相当強いものらしいです)。

もちろん、全くどもらなくなったわけではなく、当然どもることもありました。

しかし、どもることがあっても以前より重くはなく、ほとんど接客に支障はありませんでした。

とはいえ、勘違いしてはならないのは、あくまでもバイト時における吃音が軽減されたわけであって、吃音そのものが改善されたわけではありません

今でも日常生活では普通にどもりますし、大変な思いをしています。

どもりが軽減されると仕事が楽しくなってくる

バイト時のどもりが軽くなってくると、今まで自分には無理だと諦めていた接客業に従事しているという達成感もあり、仕事が楽しくなっていきました。

もちろん、吃音で苦労することはありましたが、結局、そのバイトは一年半続けることになり、今でもその時の経験は良い思い出となっています。

セルフヘルプ・自助グループなどの集まりに助けられた

接客業でバイトしていた時は、吃音のセルフヘルプグループなどの集まりに助けられました。

当時は言友会の存在を知らず、うぃーすたプロジェクトは存在すらしていなかった時代でしたが、mixiの吃音コミュニティのオフ会に参加して話を聞いてもらったりしていました。

今にして思えば、本当に助けられていたと思います。

やはり同じ境遇の人たちとコミュニケーションをとると勇気がもらえますよね。

もしも同じく接客業でつまづいている方がいましたら、自助グループなどの集まりに顔を出してみるのもいいかもしれません。

自助グループについてはこちらの記事をどうぞ。

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もう接客業はこりごりですが…

接客業で一年半ほど働いた僕ですが、もう一度接客業に就けと言われたら拒否すると思います。

確かに、接客業は上手に働けたらとても楽しいお仕事だと思います。特に僕が働いた場所は野球場ということで、野球好きな僕はとても楽しむことができました。

しかし、言葉を上手く出せないあの苦しみをもう一度味わうのはしんどいです…。

接客業で吃音を克服できたか

接客業の目的の一つに、「吃音の克服」がありました。

しかし残念ながら吃音を克服することはできませんでした。

また、吃音が軽減されたということもありませんでした。

接客のバイト前と後では特にどもりが減ったということは感じられません。

ということで、「吃音の克服」という点でいえば残念な結果に終わったと言えそうです。

接客業を経験して良かった

最後になりますが、結果的には接客業を経験して本当に良かったと思っています。今まで不可能だったと思っていた仕事をこなせたことは今でも自信につながっています。

また、野球場というある種のお祭り会場のような空間で働けること自体非常に貴重だったと今では思います。プロ野球の空気を感じながら働ける仕事は最高に楽しかったです。

もしも吃音の方で接客業に興味のある方は、一度勇気を振り絞って挑戦してみたらいかがでしょうか。

上手く適応できずに失敗するかもしれませんが、それはそれで学ぶことはあるはずです。